住宅コンサルティングのアネストが行った建築中の住宅検査の現場レポートです。今回の対象住宅は木造3階建てで軸組工法の建物で、小規模な建築会社が施工している住宅です。
今回の住宅検査のご依頼は、建築工事が始まってから工事がずいぶんと進行しており、上棟も済んでおり屋根材も施工されており、床や壁の下地材も一部施工されている状況でした。工事の途中から検査を依頼される方も多く、建築途中の建売住宅(分譲住宅)を契約された方や建築中の様子を見ていて不安になられた方などが検査依頼されています。
建築途中の検査を行う場合、原則として、その検査時点で目視確認できる範囲が対象となります。今回であれば、屋根材や外壁下地、柱、梁、筋交い、ホールダウン金物、断熱材などの目視できる箇所が対象となっています。着工時からの検査と同じく、施工ミス等が見つかれば指摘して補修をお願いすることになります。
ちなみに、上記にあげた箇所の全てを確認できたわけではなく、それぞれを部分的に確認できました。着工時から検査に入る場合は、より計画的に検査に入るため、それぞれの部位をできる限り広範囲に確認できるよう現場へ伺います。
建築途中から住宅検査を依頼される場合、まずはその時点で1回のみ検査を実施して確認できる範囲を全て検査します。その検査時に工程の進捗などを確認したり、依頼者様の心配な点などを伺ったりして、その後から完成までの検査回数を相談して追加で依頼されるパターンも多いです。
ホールダウン金物
上の写真はホールダウン金物です。ホールダウン金物とは、柱と土台、柱と梁を固定する金物で、地震や台風などで土台などから柱が抜けようとするのを防ぐ大事なものです。木造軸組工法では非常に重要な役割を果たしています。
この写真ではわかりづらいですが、ホールダウン金物の上部と下部において離れ寸法に誤差があるように目視で確認されたため、計測したところ15mmの誤差がありました。これは国土交通省の告示(20mm以内)との比較で許容範囲と判断されました。
壁面のカビ、床の下地材
壁の一部にはカビが確認されました。もちろん、除去の必要性があります。カビが確認された場合、除去した後も再発していないか再確認することも大事です。
既に床の下地材が施工されていたため、これも確認しました。下地材(合板)の厚さが図面通りであることを確認できました。合板に割れやカビなどもなく問題ありません。
この現場では、他にも屋根裏の火打ち梁や筋交い、屋根材(スレート葺き)なども確認でき、それぞれの施工に問題はありませんでした。サッシ周りの防水テープの施工も丁寧にされていることが確認できました。
基礎の表面、外壁の下地材のビス間隔
基礎については、建物外部については全て目視・打診により確認できました。ひび割れ(クラック)やジャンカもなく、コンクリートの打設に問題はなかったようです。
ただ、外壁の下地材(合板)でビスの間隔が一部の箇所において問題があり、ビスの増し打ちの必要性が指摘されました。使用されている合板の厚さは問題ありません。
今回の建築中の住宅検査では、カビと外壁下地材のビス間隔に指摘があがっています。
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