木造住宅の建築中の住宅検査レポート(基礎配筋工事)No2

住宅コンサルティングのアネストが行った建築中の住宅検査の様子をレポートします。対象の住宅は木造2階建ての建物です。

今回の検査は、基礎の配筋検査です。基礎のベースの部分にコンクリートを打設する前に、鉄筋の組み方などを第三者としてチェックしています。

基礎配筋工事の検査

基礎のベース部分には、直径13mmの鉄筋が300mm間隔で施工される設計になっており、実際にメジャーで計測して設計図の通りであるか確認を行います。この現場では設計通りに施工されていることを確認できました。

基礎の立上り部分は、主筋(直径13mm)とその他の鉄筋(直径10mm)が300mm間隔で施工される設計であり、こちらも計測した結果、設計図通りに施工されていました。

しかし、写真ではわかりづらいですが、立上り部分の円形のスペーサーが外れていたため、建築会社に補修を依頼しました。このスペーサーは基礎コンクリートの表面と鉄筋の距離(かぶり厚)を確保するために設置される大事なものですが、今回の現場のようにスペーサーが外れていることはよくあるため、基礎配筋検査をするときに注意して確認すべきチェックポイントです。

基礎のスペーサー

上の写真は基礎のベース(底盤)部分です。鉄筋の下側にグレーの立方体のものが見えますが、これもスペーサーで同じようにかぶり厚を確保するために重要なものです。サイコロ状のものであるため、通称「サイコロ」と現場では呼ばれています。

残念ながら、写真のように鉄筋から外れてしまっている個所があり、建築会社へ補修を依頼しました。

鉄筋の下にはビニールが見えますが、これは防湿ビニールシートです。こちらは鉄筋の下に問題なく施工されておりました。

落ちた鉄筋

こちらの写真も基礎の底盤部分です。切断された鉄筋の一部が落ちていたため撤去を依頼しました。

基礎の配筋検査では、鉄筋の径や配置、間隔(ピッチ)が設計図面通りであるかどうかを確認し、また組まれた鉄筋にゆがみ、傾きがないかも確認していきます。

そして、鉄筋は1本で建物をぐるりと回されるわけではないですから、鉄筋と鉄筋の継ぎ目にあたる部分があります。この部分は鉄筋が重なるように設置され、これを継手と言います。この継手の重なり部分が適切な施工であるのかも大事なチェックポイントです。

今回の配筋検査では、かぶり厚を確保するためのスペーサーがいくつも指摘としてあがっていますが、このかぶり厚の確保も重要なチェックポイントです。

基礎はコンクリートを打設してしまうと見えなくなってしまう部分であるため、打設する前の検査を考えましょう。建築会社が利用している検査機関(瑕疵保険や性能評価などの検査)では、こういった点が見落とされていることが多いため、大事な基礎は買主が第三者を入れることが好ましいです。

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