木造軸組工法2階建て住宅の住宅検査レポート(基礎配筋検査と建物配置のずれ)No7

住宅コンサルティングのアネストが行った建築中の住宅検査の現場レポートです。今回の対象住宅は木造軸組工法2階建ての住宅で、年間の供給棟数の多い企業が建築している現場でした。

■住宅の基礎配筋検査

新築住宅の工事が始まって間もなく、基礎工事に入ります。住宅の工程の重要さに優劣はつけがたいものですが、基礎配筋工事が大変重要なものであるのは言うまでもないでしょう。

基礎配筋検査では、使用される配筋の径を確認したり、配筋のピッチ(間隔)、補強筋の有無などが仕様通りであるか確認したり、施工品質(曲がりの有無・かぶり厚の確保など)を確認したりします。仕様書や図面を見ながら目視・計測によって行う検査です。

■基礎配筋工事の施工品質は良好

検査を実施した結果、配筋のピッチは図面通りに丁寧に施工されており、サイコロやスペーサーを適切に使用してかぶり厚さも十分に確保されておりました。

基礎配筋検査

定着長さも適切で、必要な補強筋も確認できました。

配筋工事は仕様通りに丁寧なもので、施工品質は良好なものだと判断できます。

基礎立上り検査

■建物配置に問題があった

建築中の住宅(住宅あんしん工程検査)では、多くの場合、第1回目の検査時に建物の配置を確認します。建物の配置とは、その敷地内のどこに建物を建てているかということであり、隣地との境界から建物までの距離を計測することで確認できます。

今回の物件では、基礎配筋検査がこの現場に最初に入った機会であったため、このときに建物配置も確認しました。その結果、図面と相違している(ずれている)ことが判明しました。

建物配置のずれ

敷地が広くて多少のずれがあってもマイナス影響を受けない場合もありますが、都市部の住宅では土地が十分に広いケースは少なく、配置のずれが問題となることは意外とあるものです。「建てる場所を間違えることなどありえるのか?」と驚く人も多いですが、過去のアネストの住宅検査では大手ハウスメーカーでもこのミスを犯していた事例がありました。

狭小地などで配置がずれていた場合、法規制との関係で建物の高さを低くしないといけない等のマイナス影響が生じることもありますし、隣地に近づいたことで隣地からクレームが入ることもあります。こういった問題が無いか確認して、建築会社と対応を協議していく必要があります。

 
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