木造軸組工法2階建て住宅の住宅検査レポート(構造躯体等の検査)No6

住宅コンサルティングのアネストが行った建築中の住宅検査の現場レポートです。今回の対象住宅は木造軸組工法2階建ての住宅であり、地元の工務店が建築しているものでした。

■構造躯体と構造金物の住宅検査

検査時点では、棟上げを終えて構造金物の取り付けまで完了しており、構造躯体やその金物の取り付け状況などの検査を行ったものです。

住宅検査を依頼する人の多くは、まず構造躯体について心配されます。これを検査を依頼するときに、構造金物が取り付けられていない状況で第三者の専門家に検査してもらおうとする人もいますので、構造金物を取り付けた後に実施することをご案内しております。

棟上げした直後では、この金物の取り付けができていないこともありますから、注意しましょう。

■構造用合板のチェック

構造用合板の代表的なチェックポイントとしては、JISマークとF☆☆☆☆の確認と釘のピッチ、そして合板の厚みなどがあります。

□JISマークとF☆☆☆☆のチェック

構造部分の1つを構成する構造用合板のチェックから開始です。まず、使用されている材料について合板を目視で確認すると以下の写真のような表記が見られます。

構造用合板のフォースター

このなかでも大事なものが、F☆☆☆☆という記載です。「エフフォースター」と読みますが、これはこの材料のホルムアルデヒド等級を示すもので、星が4つのものが最上位の規格です。ですから、他の等級のものであれば、その材料については劣ることになるのですが、実際にはF☆☆☆☆以外のものが新築住宅の施工に使用されることはほとんどありません。念のために確認しておこうというものです。

ちなみに、F☆☆☆☆の建材であれば使用量が制限されないということであって、他の物を使用してはいけないということでもありません。

□構造用合板の釘ピッチのチェック

釘のピッチが規定通りであるか、以下のようにメジャーをあてて確認していきます。

構造用合板の釘ピッチ

今回の現場では、ピッチは問題なかったのですが、一部で釘の位置が縁に寄りすぎているところがありました。縁より10mm以内としなければなりませんので、指摘対象となりました。

□構造用合板の厚み

構造用合板の厚みも以下の写真のように計測して確認します。仕様通り24mmのものが使用されていることを確認できました。

構造用合板の厚み

■構造金物のチェック

構造用合板のチェックを終えた後は、金物を丁寧に確認していきます。

□金物の材料・位置・施工品質のチェック

構造金物の住宅検査

構造用金物は、設置位置と使用されている金物の種類、そして緩み等がないかといった取り付け状況を検査していきます。

柱の接合金物

上の写真は柱に取り付けられた接合金物ですが、図面通りに丁寧に施工されていることを確認しました。柱の接合金物にもいろいろなものがあり、上のものは2つともこれに該当します。

筋交い金物

上の写真は筋交いを留める接合金物です。図面通りであるか確認していきますが、このとき筋交いの位置や種類も一緒に確認していきます。写真を見ればビスの本数が多いことがわかりますが、このビスがきちんと留められている確認しています。ビスの打ち忘れは非常に多い指摘項目ですから、注意してみましょう。

□指摘事例(金物の曲がり・アンカーボルトの施工不良など)

ここからは今回の住宅検査で見つかった指摘事例の一部をご紹介します。

金物の曲げ

上の写真は柱と梁を接合する金物ですが、梁と柱の境目付近で金物が曲げられています。この金物は曲げて使用するものではないため、補修が必要です。

金物のずれ

次に上の写真ですが、梁に開けられたボルト用の穴の上に接合金物を設置しています。そのため金物を留めるビスの一部を固定できないため、金物の固定が不十分な状況ですから、補修が必要です。このように、金物の取り付け箇所に穴や大きな欠損があることで固定不足となるケースも多いため注意が必要です。

木造軸組工法2階建て住宅の住宅検査レポート(構造躯体等の検査)No6

上の写真は柱と床の合板、梁を留める金物ですが、合板と柱の間に隙間があり、金物の床側がきちんと固定できていません。写真ではわかりづらいですが、ビスの長さから、合板の下のに梁にはビスが届いていると思われますが、合板の固定が甘い状況です。よって、補修が必要な箇所です。

アンカーボルトの施工不良

この最後の写真ですが、上から見下ろすように撮影しています。基礎の上に設置された土台とアンカーボルトが写っておりますが、そのアンカーボルトの位置に柱を固定するボルトの穴があるため、アンカーボルトによる土台の固定がきちんとできていません。

ボルトの穴には実際にボルトもあり、アンカーボルトと干渉してしまい座金が浮いていて固定がきちんとできない状況です。

他の金物も大事なものですが、このアンカーボルトの取り付け状況に問題があれば、大きな地震の揺れのときなどに基礎から土台外れるなどのリスクがあり、非常に心配されるものです。この住宅では大工仕事が粗く、大事な箇所で指摘が多くなりました。

建材等が工場でカットされるようになり、現場では組み立てるだけだといった表現が使われることが多いですが、実際には現場で行われる作業でこのような問題が起こることはよくあります。建築前や建築中の住宅を購入するならば、第三者の住宅検査が有効だと言えますね。

 
 
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