住宅検査の内容:基礎配筋検査

前回は「地盤改良工事の立会い検査」について書きましたが、今回は「基礎配筋検査」についてです。今の時代の新築住宅の基礎は鉄筋コンクリート造です。以前は無筋コンクリート造やコンクリートブロック造というものまでありましたが、今は鉄筋のない基礎はありません。

基礎配筋検査

コンクリートは圧縮に強く、鉄筋は引っ張りに強いという特性があり、その両方をあわせて鉄筋コンクリート造の基礎となっています。

基礎の工法は、ベタ基礎や布基礎と種類がわかれていますが、新築住宅ではベタ基礎が多いです。大手ハウスメーカーの軽量鉄骨造などでは布基礎が採用されていることも多いですが、ここではベタ基礎について記載します。

基礎の底の部分を底盤とかベースなどと呼びます。それに対して縦方向の部分を立上り部分と呼びます。

基礎の底盤と立上り

その底盤と立上りの両方に鉄筋が配されます。基礎の配筋工事ですね。配筋は基礎の重要な要素であることは言うまでもないですが、基礎配筋検査では、鉄筋の径や配置、鉄筋と鉄筋の間隔(ピッチ)、鉄筋と鉄筋の重なり(継手)の位置や長さ、かぶり厚さ(鉄筋周りのスペースでコンクリート表面との距離)、補強筋など、数多くの大事なチェックポイントがあります。

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基礎のかぶり厚

基礎のコンクリートは底盤と立上りの2度に分けて打設することが多いですが(1度でまとめて打設することもある)、基礎の配筋検査をするときは底盤の部分と立上りの部分の2度に分けて検査することも多いです。

それぞれの建築現場の工程や工法にあわせて対応を検討するとよいでしょう。立上りのコンクリートを打設する前には、アンカーボルトやホールダウン金物の設置状態を確認することもできます。

基礎配筋ピッチの検査

基礎配筋検査の項目(チェックポイント)では以下の項目が代表的なものです。

・鉄筋等
配筋の形状
鉄筋の径
配筋の配置
配筋のレベル
配筋の継手の位置
配筋の継手の長さ
配筋の定着長さ
配筋のピッチ
補強筋
かぶり厚
スリーブ
逃げ配管の状態
開口部補強筋

・金物:アンカーボルト
埋め込み状態
通心
首手寸法
位置
本数
型枠への固定

・金物:ホールダウン金物
埋め込み状態
通心
首手寸法
位置
本数
型枠への固定

・換気
床下換気孔
基礎パッキン

基礎アンカーボルトの検査

基礎配筋検査(底盤・立上りの鉄筋等の検査)
住宅あんしん工程検査(建築中の住宅検査)