長期優良住宅の誤解(住宅検査はしていない)

2009年より長期優良住宅が建築されるようになり、その後、該当する住宅の新築件数は徐々に伸びてきています。今後も対象物件数が増えていくことが予想されていますので、長期優良住宅がどういったものか理解し、誤解のないようにしていきたいものです。

長期優良住宅の誤解(住宅検査はしていない)

◆長期優良住宅とは

長期優良住宅とは、2009年に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づくものですが、国土交通省のHPでも「長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅」と記載しております。

長期間、良好な状態を保つための基準を設けて、これに該当する住宅を長期優良住宅として認定しているのです。劣化・耐震・維持管理などの項目について基準が設けられています。

長期優良住宅の認定を受けるためには、審査機関(住宅性能評価機関)に申請して合格し、それから工事に着手する流れとなります。つまり、着工前に手続きが必要だということです。

◆長期優良住宅の住宅検査に関する誤解

長期間、良好な状態を保つ基準を設けており、かつ審査もあると聞くと住宅の購入者や施主としては安心感がありますね。これが、ここで説明する大きな誤解に結びついているのは間違いありません。

長期優良住宅で行われている審査とは、着工前に行う書類審査のみです。建物の建築計画を書面(図面等)で提出して認定してもらうだけの手続きですから、建築現場でチェックしているわけでも、詳細に検査しているわけでもありません。

しかし、このことを正しく理解していない不動産会社や建築会社の営業担当から、「長期優良住宅だから施工上も安心です」と説明を受けて、これを信用している人は少なくないです。

建築中に施工品質を検査する制度ではないため、施工品質とは関係ないことを理解しておきましょう。

実際に、長期優良住宅の認定を受けた新築住宅に対して住宅検査に入ることは多いですが、施工ミスが確認されることは何度もあります。長期優良住宅の認定を受けていない住宅で確認される頻度と何もかわっておりません。

住宅性能評価制度を利用している住宅や瑕疵担保責任保険に加入している住宅であれば、簡単な現場検査がありますが、それでも簡易な検査であるがために施工ミスはなくなっていません。施工ミスを抑制したいのであれば、第三者に住宅検査を依頼することが最も信頼できる方法です。
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